顔におおきな目の玉がひとつだけある存在。「生きざかな」として人間を食べたりします。
「ごはんくわないおかあさん」として、けちな男のもとにやって来た女(こちらの正体は蜘蛛)の本当の夫で、山の中で子供たちと待ち構えてたましたが、男は柊[ひいらぎ]の木に助けてもらい、無事に家に帰ることが出来ました。このことから12月の事八日には柊の葉っぱを飾ることになったと語られます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
豆州の大沢里などで語られる昔話にみられるもの。ごはんを食べないお嫁のはなしは5月の端午の節供の由来(しょうぶ・よもぎ)に結びつけられることが多いですが、これは12月の事八日のひいらぎや、一ッ目の存在がやって来ることと結びつけられてるかたちのもの。
採話資料(『伊豆の昔話』5号)のなかで「旦那さん」という表現が用いられてるため、「目一ッの人」という表現が、けちな男のほうの特徴である(ひいらぎに助けられた、けちな男がもともと単眼で、そちら)という読み方も出来るカンジで、ひいらぎの箇所はやや省略気味に語られておりハッキリしない面があります。
和漢百魅缶│2021.03.24
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