テンガナシから夫婦が地上に降りて来て島をはじめて造ったとき、ふたりのあいだに生まれたのはいつまでもウナズのようなものばかりだった。
テンガナシにいる神様にたずねると、ユナウの木の葉を敷けば良いと教えられ、そのとおりにしてみると、次からは人間のかたちの子供が生まれたソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
沖縄の宮古郡などにつたわるもので、ウナズは鰻[うなぎ]のこと。テンガナシ、ティンガナスは「天加那志」などともあてられます。「ひるこ」などとおなじような感覚のものか。
厳密には、ユナウの葉を敷いたあとに生まれた子供は、人間のかたちだがユムル(鼠)の毛で体がおおわれてて、それを落とす葉っぱをまた神様からもらう展開が間にあります。
和漢百魅缶│2021.03.17
Design. Koorintei Hyousen 2021