こりのぼさつ 狐狸の菩薩

こりのぼさつ(狐狸の菩薩)

蜷川新右衛門[にながわしんえもん]が亡くなる直前に、屋敷に現われたという西の空から来迎した菩薩たち。

家の者たちがありがたやと拝んでいましたが、新右衛門は「念仏往生を願ってない者のもとにこのようなことは起こりようはない」と起き上がって弓を射かけると、それは狐狸たちが化けたいたずらだったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
蜷川新右衛門についての説話にみられるもの。『本朝語園』では「皆功を経たる狐狸にてぞ有ける」とあるのですが、「狐狸」という熟語が「きつね」をさすのか「きつねとたぬき」をさしてるのかは不明瞭です。

和漢百魅缶│2021.01.08
Design. Koorintei Hyousen 2021