ひつじのあしあと 羊蹄跡

ひつじのあしあと(羊蹄跡)

蝦夷地の東にあるシリベシ山のてっぺんにある湖には、ふしぎなことに泥に羊[ひつじ]の足跡のようなものがびっしりあるといったはなしが語られてたりしたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山崎美成『海録』巻13曰
「湖の汀は皆泥なりその泥に羊の足跡ひしとありといふ奥地のシリベシ山を日本紀(斉明五年)に後方羊蹄[しりべし]とかかれたると此蝦夷の山と同名にして其文の如く羊の住めるはいと怪しと蝦夷へ往来する人語りし」

『日本書紀』の斉明紀に記されてる、蝦夷地に政所が置かれた場所「後方羊蹄」(しりべし)と、たまたま文字づらが合ってしまうという妙さが語られてるわけですが、「後方羊蹄」の「羊蹄」(し)は植物の和名からつけられてる仮字で、別にひつじではないとのハナシ。

和漢百魅缶│2021.01.06
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