お産が近づいたおかみさんのいる家に「九州のおばさんがお見舞いに来たよ」と、やって来るのですが、みんなが寝静まるとそのおばさんがおかみさんを食べようと馬鍬[まぐわ]のような大きな歯のある大口でねらうようになります。
おかみさんは、おばさんがあやしいことを夫に告げますが「お前の実のおばさんがそんなことをするはずないだろう」と眠ってしまい、ついにおかみさんは鬼のように大きくなったおばさんによって食べられてしまったソウナ。
阿州などにつたわる昔話に出て来るもので、「やまんば」や「おに」が正体だったなどとされます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
伯母上に化けてやって来るはなしという点では「いばらきどうじ」などと似た展開ですが、展開そのものがこれはだいぶ異なるもの。
和漢百魅缶│2020.12.31
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