相州津久井郡などにつたわるもので、「かわてんぐ」が見せて来たりしたという川を流れてゆくふしぎな火の玉。
これが流れて来たのを見て「たいへんだ」と驚いたことに対し、連れの男が「川の流れに沿って流れるぐらい何もおかしくない、もしも流れに逆らってのぼっていったなら、たいへんだ」と言ったところ、火の玉は上流に向かって流れ始めたソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
川天狗に対する「かわてんごう」という発音は相州などにみられるもの。おなじく川のなかを流れて来る火の玉だが、上州の「かわてんぐ」よりもはなしはおもしろい方面に転がってます。
和漢百魅缶│2020.11.11
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