かわしまもりのあくま 川島森の悪魔

かわしまもりのあくま(川島森の悪魔)

備州の川島森[かわしまもり]という森のなかに、おおむかし巣食ってたという「おに」で、あがめぬ人々を苦しめたりしてたといいます。

笠県守[かさのあがたもり]が森にやって来て、火を放ってこれを退治したといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
神楽に残されてるものですが、笠県守が川島という土地で活躍したはなしとしては普通は「みづち」を退治したものがあって、この森のなかの鬼を退治するかたちのものが、別々の活躍としてのものと考えられてたのかは未詳。

神楽(出雲佐陀の『県守』)のなかでは「川島森には神代より伝はる」として、「やまたのおろち」の血をひく子孫にあたること、大蛇のようで大蛇ではない、「四足短く体太き悪鬼にて候」という文句か出て来たりもして、やや「みづち」の名残りも感じられ、混線のあとらしきものもうかがえます。

和漢百魅缶│2020.07.03
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