津田利信の屋敷に襲来した狐たちが神仏をよそおってたとき、「愛宕山に参詣すれば授けてやろう」と持ちかけてきた太郎坊に代々つたわるという太刀。
刀茎[なかご]に「陽」という一字が銘として刻まれてて、十二ヶ月それぞれの陰陽の気のながれにあわせて、その位置が動いたりするという実にふしぎな太刀だといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『丹後変化物語』・『丹後国変化物語』に登場するもの。ただし、お告げのなかで登場するのみで、津田利信が「狐にたぶらかされて太刀なぞもらったとあっては他人にあざけられるだけだ」と一蹴したので、実物としては未登場。
和漢百魅缶│2019.08.29
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