「てんぐ」が用いたりしてる蓑[みの]で、人間を中にくるみこんで任意の地点に飛ばしたり出来ます。
むかし、畑仕事をすませてじいさんばあさんがおだんごを食べてたら突然の激しい雨、あわててるといつのまにかだんごが無くなってた。ふしぎに思っていると、フワリと古ぼけた蓑[みの]が飛んで来て二人をさらっていき、気が付くとそこはおまんじゅう屋で、店の者がつぎつぎとたくさんのおまんじゅうを出してくれる。
じいさんばあさんが満腹心地でいると、いつの間にかもとの畑に帰って来てて、さては腹を空かせたてんぐどんがだんごを食べた礼としておまんじゅうをくれたのじゃなかろうか、と思ったんだソウナ。
薩州鹿児島郡吉田の昔話などに出て来るもの。「かくれみのみたいなものかな」と語られてたりします。
和漢百魅缶│2019.04.05
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