天竺の竜国の王さまで、子供のころから毎日、1日に1両ずつ黄金をのんでるので体中が黄金になっててスゴク強い。
しかし、乳人[めのと]が悪心を起こして1回だけその黄金を着服したことが過去にあって、そのせいで左のわきのしたにダケ黄金で無い箇所があり、睡眠中にそこから白蛇(竜王のたましいだという)がぬけでて歩いてしまうという隠された弱点があった。
となりの国の王さまの策謀で自らの娘の「ばとうにょ」の手によって亡きものにされましたが、遺言によって残された死体(もう骨になってたが)をささがにの糸でつなぎ直すと甦生。梵天・帝釈のちからを借り、娘をたすけてとなりの国を成敗します。
☆ 莱莉垣桜文 附註
舞楽の演目を題材としたお伽草子、『還城楽物語』に出て来るもので、竜王は「蘭陵王」を素材としたもの。
骨寄せをして甦生をする場面では下のあごの骨だけが紛失しており、竜王の大臣である「なっそり大臣」(「納曽利」から)のひざをあごに移殖するなど、使用される面の構造(あごの部分がぶらぶらと動く)を受けた部分もみられます。
和漢百魅缶│2018.12.28
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