1000頭の狐[きつね]のわきのしたの毛皮をあつめてつくられたふしぎな裘[かわころも]で、これを着ると世界中のことが眼前にみることができ、どんなおたからもさぐりだせるといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
孟嘗君[もうしょうくん]のはなしに出て来るたからもので「孤白裘」ともかかれますが、それを永済注の系統に属する和漢朗詠集を経て引いた『源平盛衰記』や『平家物語』などのなかではちょっと違った性質が付与されており、ここでとりあげたのはソチラのもの。
『源平盛衰記』曰
「狐白の裘と云て千の狐の脇の皮を取集てしつらひ作たる秘蔵の物」
『平家物語』(延慶本)曰
「此裘をきつれば一天四海を眼前に見 七珍万宝を求出す宝なり」
和漢百魅缶│2018.12.26
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