人間の家の庭先でうろうろしていたら「うちでぜひ働かないか」と言われて、そのまま律儀に3月の「宿さがり」の日まで半季ほど働いてった、という美しいどこから来たのかわからぬふしぎな娘。
実は天人だと思ってたのは人間の勘違いで、正体はただのふわふわしていた「ゆうれい」だった。
☆ 莱莉垣桜文 附註
小噺などにあるもので、夜に井戸ばたに立ってた美しい天人を半季働かせた、と語る男に対し、帰りぎわには掻き消すように失せたときいたみんなが「それは幽霊であろうぞ」と言うと、「そうなのかな、そういわれると時々抹香くさかった」と答えるのがおち。
和漢百魅缶│2018.07.11
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