くすりあり 薬蟻

くすりあり(薬蟻)

日に干してある薬草や生薬とかにわさわさと群がって来てだめにしてしまったりする、あり。

むかし、復斎[ふくさい]という医者の弟子が薬草を干してたところ、ありがおびただしくついて困ったのでお湯をわかして巣をつぶそうとしてたところ、復斎が「いや、さとせばわかるであろう」として、三日以内に立ち去れば命は助けてやる――と記したへぎ板を設置。ありたちはそれを読んだのか次第にこなくなり、三日後にはパタリと一匹もいなくなったソウナ。

和漢百魅缶│2018.05.27
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