地面の中から出て来ることがあったりするというふしぎなつるぎで、一度だけならどんな岩石や山もまっぷたつに割ることが出来るというすぐれもの。
むかし、たまたま地面の中からふるぼけたつるぎをみつけた人がいて、市場に並べてると、たまたまそこをとおりかかった胡人がこれを見て目の色をかえてどんどん値が高騰。百万銭にまでなりましたが、「こんな剣がどうしてなのかな」とたまたま庭の石につるぎを向けたところ、石がまっぷたつ。翌日おかねをもって来た胡人はつるぎをみて「ああ、どうしたことだ、剣光がなくなってます、使ってしまったのですか」と残念がりながら、これは破山剣というものでわしは山をひらくために欲しかったのダと語ったソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『広異記』にあるというおはなし。
和漢百魅缶│2018.03.05
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