おきち お吉

おきち(お吉)

斉郷内蔵助佐友[さいごうくらのすけすけとも]という武士が幼い娘の玉笹[たまざさ]と小露[こつゆ]に発した原因不明のあやしい病を治療するため、赤犬を馬にくくりつけて50里ひきずらせて走らせ、その首を討って患部に向かわせればヨイというまじないをおこなったところ、病は回復。

玉笹と小露はうつくしく成長しましたが、斉郷の屋敷にその頃つとめるようになった侍女のお吉の正体が実はそのときの赤犬で、娘ふたりを取り殺してしまいましたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
十返舎一九『怪物輿論』に書かれてる物語で、西国にある犬塚は斉郷佐友がこの事のあと、殺生を悔いて犬の首をとむらったのがそのはじまりであると結んで説いてます。

和漢百魅缶│2017.08.09
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