うまひとじゆうのくすり 馬人自由の薬

うまひとじゆうのくすり(馬人自由の薬)

これをぬると、その箇所が馬になれたり、またそこにぬると人に戻れたりするというふしぎな薬。

観音様が霊夢のなかで授けてくれたりします。

☆ 莱莉垣桜文 附註
笑い話に出て来るもので、薬の効果を夫からきいたおかみさんが「下半身は馬のままでいい」など言うのが大体の結末。元禄時代の本によれば塗り薬であることが知れます。

『正直はなし大鑑』曰
「岩井町といふ所にすみけるもの 浅草の観音のふかくしんじんせしに あるときふしぎのれいむをかふむりたり。馬になりたり人になるじゆふのくすりのほうをゑたり まことにきたいのみゃうやく」

「やくみ調合してにかいにあがり はだかになりてそろそろぬりてみれば かほむまになり また手足むまになりたり」

「すこしもくるしからず人になる事またじゆふなり とてわがてにくすりをぬりてくびも手ももとのごとく人になりたり」

「こしよりしたはむまがよいぞ といふた」

和漢百魅缶│2017.08.06
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