貞和のころ(1345-49年)、総州山辺郡に住んでた高階[たかしな]の妻女の夢のなかにあらわれたという亡者。色が黒くてやせおとろえておそろしげな女房のすがただったといいます。
「地獄におちて毎日くるしみがたえないが、地蔵菩薩の慈悲でたまたまひととき現われることが出来た、ぜひ法華経と回向経を書写して供養をしてくれ」とたのんですがたを消しました。
高階の妻女は聞いたこともなかった回向経もどういうものかをつきとめて経を書写してあげ、この亡者は兜率天の天女に転生できたんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『三国伝記』にみられるもの。この女房も生前は上総国芹沢の住人。
和漢百魅缶│2017.08.03
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