蛙が女のすがたに化けて現われたというもの。
むかし、紀良貞[きのよしさだ]が住吉の浦に行ったときに知らない女と出逢い、別れぎわにまた来年のきょうにここで会いましょうと約束。その次の年に同じ場所に行ったものの、その女はいつまでたっても来ない。ふと見ると足もとで蛙がぴょこぴょこ砂の上を跳んでた。
しかし、じっくり見ていると、その蛙の跳んだあとが文字になっており「すみよしの うらのみるめも わすれねば かりにもひとに またとはれぬる」という和歌を詠んでたので、この蛙が化けたものだったのか、と知ったんだソウナ。
和漢百魅缶│2017.04.29
Design. Koorintei Hyousen 2017