ぎおんじぎ 祇園寺蟻

ぎおんじぎ(祇園寺蟻)

祇園精舎の境内の土のなかに棲んでる蟻[あり]で、毘婆尸[びばし]が仏陀だった時代から釈迦[しゃか]が仏陀の時代まで畜生道の蟻のまま現在未来もずっと解脱が出来ずいるという存在。かなしみのありんこ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『賢愚経』などの仏典に説かれてるはなしに出て来るもので、祇園精舎を須逹[しゅだつ]長者が建設するときに舎利弗[しゃりほつ]が語ったといいます。「せんばじょうきゅう」と対句として並べられたりもしてます。

『宝物集』曰
「占婆城の鳩 祇園寺の蟻の過去八万劫畜生なりき 又未来八万劫も畜生なるべしとこそ仰せられける。過去遠々占婆城の鳩 未来永々祇園寺の蟻といへり」

『賢愚経』曰
「復更従縄 時舎利弗 惨然憂色 即問尊者「何故憂色」答言「汝今見此地中蟻子不耶」対曰「已見」時舎利弗 語須達言「汝於過去毘婆尸仏亦於此地 為彼世尊起立精舎而此蟻子在此中生 尸棄仏時 汝為彼仏亦於是中造立精舎而此蟻子亦在中生 毘舍浮仏時 汝為世尊於此地中起立精舎而此蟻子亦在中生 拘留秦仏時 亦為世尊在此地中起立精舎而是蟻子亦於此中生 拘那含牟尼仏時 汝為世尊於此地中起立精舎而此蟻子亦在中生 迦葉仏時 汝亦為仏於此地中起立精舎而此蟻子亦在中生 乃至今日九十一劫受一種身 不得解脱 生死長遠 唯福為要 不可不種」是時須達悲怜愍傷」

毘婆尸仏〜迦葉仏は過去に存在した釈迦以前の仏陀。

和漢百魅缶│2017.03.08
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