むかし、松前でみられたというものすごくおおきなおこぜで、鹿[しか]をまるのみしたけれど中で鹿があばれたのか、つので貫き刺されて死んでる状態で見つかったことがあったといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『津軽俗説後々拾遺』曰
「東浜の人の云 近頃松前蝦夷地シツチとやら云所の川水乾きて俄に陸の如くなれり蝦夷共不思議におもひて其源の落口を尋ねしにオコゼ鹿を領て鹿の角腮を貫きて死せしもの其落口を塞ぎて水湛へて流るる事ならず下水乾きしといへり 深淵広海に年を経しもの形長大になりて偶出ることあり珍物にして珍物にあらず」
和漢百魅缶│2016.12.20
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