旅の途中の僧侶に宿を貸してあげて、親切に暮らさせてあげたところ、その僧侶がときどき牛に変身して田畑の仕事の手伝いをもりもりしてくれ、とても助かったという「牛飼村」のはなしを耳にした別の村のどんよくな男が真似をしようと考えてたところ、旅の僧侶がきたので庵[いおり]も建ててやり、「牛になってくれ」とずけずけ頼みます。
すると、その男自身があくる日に人の頭で牛の体という変な姿になってしまいます。困り果てていたところ、旅の僧侶が拝んでくれ、なんとかモトの姿に戻れたといいます。
そういうことがあったことから、近所の村からは「真似牛村」と呼ばれるようになったよ、というおはなし。
☆ 莱莉垣桜文 附註
はなしのはじまりとして「うしかいむら」が存在します。
和漢百魅缶│2016.10.21
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