くがにぬたま 黄金珠

くがにぬたま(黄金珠)

むかし、きたない身なりの見知らぬばあさんを、おじいさんが家に連れて帰るのですが、おばあさんが「こんな汚いのは早く追っ払え」と追い出してしまいます。すると見知らぬばあさんは「一生、かかじていくえーよー」と言い捨てて煙のようになって消えてしまいます。

後日、おばあさんが海へとうふづくりのための水をとりに行くと、海に純金のおおきな珠がどんぶりどんぶり浮いてるのでびっくり。すくいあげようとしますが、手をのばすと沈み、しばらくするとまた浮かぶというふしぎな挙動を珠がするのでさらにびっくり。

しつこく追いかけましたが、最後に珠は煙に変じて消えてしまい、以後、おじいさんとおばあさんの家はまったく豊かになることがなかったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
沖縄の中頭郡などにつたわる昔話に出て来るもの。「一生、かかじていくえーよー」というのは「一生、あくせく働いて生きろ」といった意味。

和漢百魅缶│2016.09.22
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