14、5歳くらいの身なりの童子のようなすがたで現れたというもので、手に持っているうめの細い枝(ずばい)でひとをなでてきます。これになでられたひとはその場に倒れ込んでしまい、そのまま、あぶくになって消えてしまったといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
浄瑠璃の『宇治の姫切』に出て来るもので、桜葉光重[さくらばのみつしげ]によって退治されてから49年が経過した宇治の橋姫が変化して、みやこにあらわれてすがたのひとつとして登場する妖怪です。
『宇治の姫切』曰
「十四五なる童子たちいで梅のずはひをもって撫づると思へばたちたをれ地に臥しそのまま水の泡と消へ」
和漢百魅缶│2016.09.15
Design. Koorintei Hyousen 2016