中から三味線や太皷でおはやしがどんちゃらどんちゃら聴こえてくるという実にふしぎなかぼちゃ。
むかし、まずしいお百姓さんが畑に種をまこうとしたがまくための種がないので、長者さまに種を借りにいったところ、 長者はいじわるをして鍋で煎った粟[あわ]を貸してくれました。煎ってあるのでお百姓さんの畑には何も芽が出なかったのですが、なぜか1本、かぼちゃが生えてきて、このふしぎなかぼちゃが結実。
実にふしぎなすごいかぼちゃだ、というので人々が次々やってきてはお賽銭をくれたので、お百姓さんはとても豊かに。事情を知った長者さまは、「もともとはわしの貸した種だ」とかぼちゃを奪っていきますが、それからはトンと音が無くなってしまいます。
怒った長者がかぼちゃをつきくずしてしまうと、中からはお百姓さんに貸したのと同じだけの煎った粟がじゃーっと出てきたソウナ。
和漢百魅缶│2016.09.02
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