あおのぎにふしたるもの 仰ぎに臥したる者

あおのぎにふしたるもの(仰ぎに臥したる者)

山の中にとつぜんあおむけに寝っころがってるという、身の丈が8尺か9尺はあるという大きなひとのすがたをしたもの。狩猟用の犬なども、そのすがたをみたら怖がって隠れてしまったといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『宿直草』に出て来る話がしるされてるもので、摂州の本山に狩りにいったふたりの男がこれを見て、おそろしくなり山をおりたとされます。

『宿直草』曰
「行くべき坂の真中に其の丈八九尺にして色は炭にまがふ頭[こうべ]を下へなし白き鉢巻を帯びたり足は上[かみ]にのけぞって弓矢の方に丈余の棒を置く 眠るが如くにして仰[あおの]ぎに臥したる者あり」

和漢百魅缶│2016.08.16
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