てんぐむすこ 天狗息子

てんぐむすこ(天狗息子)

常州などにつたわるもので、母親がいつか行ってみたいなァとつぶやいた遠隔地の寺社や祭礼に、息子が「良いと言うまで目をとじててくれ」という条件付きで、あっという間に連れってってくれた、というもの。

行き帰りのときは約束をしっかりまもったものの、帰宅後に息子の言う「しばらく眠るけど、起きるまで部屋をあけないでくれ」という言葉に、つい気になってしまった母親が、部屋をのぞいてみると、息子の眠りすがたは「てんぐ」になっていたのでびっくり。見られたことを気付いた息子は、天狗のすがたのまま姿をどこかに消してしまう、といったおはなし。

☆ 莱莉垣桜文 附註
母親の行きたいとする場所は、豆州三島、尾州津島、勢州伊勢など、常州からはかなりの遠隔地。

和漢百魅缶│2016.08.15
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