越中の別所にいた頼成長者という長者のむすめはとても美しかったが、長者は「むすめのむこは知恵のとてもある者でなくてはいかん」と言って、四方が山に囲まれた丘にある田に水をあげて満たした者を娘の婿とする、と宣言。
すると、誰もできなかったその事業にひとりの若者が挑んだところ、いつの間にか山に穴があいて水が引かれて、もうじき田に水が届くというくらいにまで工事が進んでたので長者はびっくり。これは人間ひとりのわざではない、竜蛇であろうということになって、急いで大量の人足を集めて穴をこっそりと埋め、工事を失敗させて娘をまもったソウナ。
和漢百魅缶│2016.07.15
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