さるたひこのつかい 猿田彦の使い

さるたひこのつかい(猿田彦の使い)

むかし、奥州に品物を仕入れにいった男が、舟にのろうとしたところ「舟にのることをつつしめ」と声をかけて来る異形のものが出現。

日頃、男は猿田彦のかみを信心してたのですが、その異形のものが「われは猿田彦の使いじゃ」とも発言したことが心に残って舟に乗るのをその日やめたところ、夜には時化[しけ]が起こって乗るはずだった舟は沈んでしまったと知れたんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
関亭伝笑『怪談梅草紙』に書かれてるはなし。乗るはずだった舟に乗れずに事故に遭うのを救われた、というおはなしは「とがきんこうじん」など大陸に古くからあるもので、そういった説話の翻案ものであるとも見えます。

和漢百魅缶│2016.07.04
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