まこものまえ 真菰前

まこものまえ(真菰前)

源頼政[みなもとのよりまさ]が菖蒲前[あやめのまえ]をえらんだことによって口惜しい思いをしたライバルの官女で、ふたりが宇治川で逢っているのを邪魔しようとして柳の木にのぼってうっかり転落、そのまま川にしずんでしまって怨霊と化してしまいます。

頼政を病気にして弱らせますが、三井寺の浄明という僧の法力や頼政の持っていた不動の剣によって退散しました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『艶色万歳頼政』という浄瑠璃に登場するもの。頼政が花を見て病気の気晴らしをしている場面で怨霊として出て来るときは、はじめは蝶の姿であらわれるなどの演出もあったようです。

和漢百魅缶│2016.04.14
Design. Koorintei Hyousen 2016