くずまきぶちのりゅう 葛巻淵の竜

くずまきぶちのりゅう(葛巻淵の竜)

羽後平鹿郡の中島村にあった竜王権現につたわるもので、むかし淵に悪い「りゅう」がいて若い男に化けては里の娘のもとなどに来て悪さをしてたといいます。

困っていることを里の人々が神様に祈ったところ、近くの田んぼの中から竜のもようのついてる鏡がみつかり、それをまつったところ悪さをしなくなったといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
菅江真澄『雪の出羽路』曰
「竜の出て来て家に入りまた娘を捕し事あり 神にいのればある日淵の近[ほとり]の田の中に竜文ある宝鏡を掘り得る也 此鏡をしか竜神と斎奉りしかばさるあやしき止ぬといへり 其神鏡も盗人のとりぬ 祭日八月八日」

和漢百魅缶│2016.04.09
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