ししかせ 宍喰せ

ししかせ(宍喰せ)

山の中にすんでいる狒々[ひひ]で、山小屋にやって来てはその日に捕れた獲物のしし(肉)を「ししかせ」とねだって持って行ってしまいます。

体中の毛にうるしをぬって砂をまぶしており、毛は針金のように逆立ったよろいのよう。ふつうの刃物などは通用せず、言い伝えによると茅の根を先にくっつけた槍[やり]で突くと唯一攻撃が出来るんだトカ。

羽前最上郡などにつたわる昔話に出て来るもの。体表の防御力をたかめている手法は他の猿や猫の妖怪にも見られるものです。

和漢百魅缶│2016.04.07
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