10丈ぐらいもあるという巨大な女のあたまで、とつぜん現われては鉄漿[おはぐろ]まっくろな歯をみせながら「しししししし」と笑ってくるというもの。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「けらけらおんな」の仲間。「ししと笑いて」というのは『公平入道山めぐり』など浄瑠璃などに見える笑い方。
『公平入道山めぐり』曰
「秋かぜさへも身にしみてぞっとするかと覚ゆれば 山かげより十丈斗[ばかり]の女のくび かねまっくろにつけたりしが つらをぬいとさしいだし ししとわらいて見へにける 公平扇をひらき 出られたりやばけものどの是へ是へとうちまねく」
和漢百魅缶│2016.03.21
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