ふるやえん 古野猿

ふるやえん(古野猿)

年をへた猿が、山の奥で糸ひきをしている娘のすがたに化けて出て来たというもの。鉄砲を撃ってもまったく通じませんでしたが、ちかくでともしてる行灯[あんどん]を撃ったところ、「えらいことするなあ」と声をたてて消え、猿の死体が転がってたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
信州安曇郡などにつたわる昔話にでてくるもの。いろんなものが行ってる「糸ひきをしてる女性」の姿になって出て来る化け術のこれも一例。糸車以外にも桶が弱点の「せんたくおんな」などがあります。

和漢百魅缶│2016.02.16
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