でんか 伝可

でんか(伝可)

尾州名古屋の膳徳寺にいた順的という僧侶の弟子のうちのひとりだった伝可[でんか]という僧が、納所としてお世話をしにうかがいますと宣言していたものの、ある年に急病で亡くなってしまいました。

するとある夜、順的の夢の中に犬があらわれて「犬に生まれ変わってしまいましたが、行くべきところがございません、ぜひお寺の庭へでも置いて下さい」と語りかけて来ました。数日後、乞食が「和尚さま、犬の子、いりませんか」と持って来た犬が夢のものとそっくりだったので、伝可と名づけて寺に置いてあげたんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『因果物語』にあるもの。片仮名本『因果物語』では名古屋膳徳寺・順的和尚・伝可のくみあわせですが、平仮名本『因果物語』では名古屋善篤寺・順帰和尚・伝賀のくみあわせになっています。

和漢百魅缶│2015.11.03
Design. Koorintei Hyousen 2015