カルチョーナ

カルチョーナ

チリにつたわるもので、デーモンたちと契約を結んだ女性などが山羊[やぎ]に化けたもの。

むかし、ある男のお嫁になった女性がときどき夜中に家をぬけだしたりしてることが気になったので、こっそりその様子をうかがって見たところ、お嫁は目の玉をくりぬいて水をためたお皿の中にいれ、体に黒い脂肪[あぶら]をぬって山羊の皮をぴったり装備して山羊に変化して、デーモンたちのつどいに出掛けてるのが知れました。男がさっそく残されてた目の玉と黒い脂肪をどぶ川に打ち捨てたところ、山羊の姿からもとに戻れなくなったのか、お嫁の化けた山羊は川っぺりを時々うろうろしてるのが見られたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「カルチョーナ」という呼び名は「足に毛房のあるもの」という意味だそうです。

和漢百魅缶│2015.10.31
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