文政のころ、江戸の下谷にあった松前家の屋敷で、夜になると屋根の上にまたがっているのが目撃されたりしたというふしぎなもので、浄衣を身につけて烏帽子[えぼし]をつけたひとのようだったといいます。
正体は不明なものの、烏帽子をつけてる姿からあるひとは摩多羅神が現じたのじゃないかと言ってたそうです。
☆ 莱莉垣桜文 附註 『甲子夜話』曰 「人言へるは此怪と見しは摩多羅神の現ぜしなるべし」
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