こうあんじのこぼうず 高安寺の小坊主

こうあんじのこぼうず(高安寺の小坊主)

武州の府中にある高安寺にいたというふしぎな小坊主で、正体は狐[きつね]だったといいます。

いつも知らない間に風呂からあがっているし、いつ入ってるのかもわからなかったので、ふしぎに思った和尚が監視してると、この小坊主はしっぽでお湯をぽちょぽちょとかきまわして風呂に入ったような音をさせていたということを目撃。後日「きつねということが知れてしまっては寺にはおれません」と告げて小坊主はいなくなってしまったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
お湯にしっぽをつけて湯を鳴らして風呂にはいってるように見せかけるくだりは、昔話としてつたわっている葛の葉のはなしの中や、「はつれん」のはなしなどにも見られるものです。

和漢百魅缶│2015.09.25
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