むかし、お金持ちな男と貧乏な男が住んでて、貧乏な男も同じぐらい働いているのにどうして貧乏なのだろうとふしぎになった金持ちの男が、ある日るすになってる男の家で物音がしたのでコッソリのぞいてみると、小さい子供がいっぱい家にいて、物をいじくってぼろぼろにしたり、物を喰ったりしてたのでびっくり。
「なにもんだぁ」と声をかけるとその小さな子供たちが一斉に自在鉤[じざいかぎ]にかけてある大きなひょうたんの中へと消えてしまったので、「この家が貧乏なのはあれのせいだ」と察知。
山から帰って来た貧乏な男にわけをきかせて捨てろと提案してみますが「あれは代々家にある古いもんだから」と断られてしまい、けっきょくその家はいつまでもそのままだったんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
作州真島郡美甘村などにつたわる昔話に出て来るもの。
和漢百魅缶│2015.09.20
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