おうみのじんろく 近江の甚六

おうみのじんろく(近江の甚六)

江州の守山あたりにいたひとで、ものすごい慳貪[けんどん]な性格で生前に家族にもやさしくなかったため、死んだあとに畜生道におちて犬[いぬ]のすがたに生まれ変わってしまったんだソウナ。

犬になってしまったあと家族のもとにあらわれたとき、棒でぶたれてしまいますが、「わしは畜生道におちてしまった、どうか打たずにおいてくれ」と、人語を発せたため、あわれに思った家族がしばらく家においてやりましたが、しばらくしてどこかに居なくなってしまいました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『善悪報ばなし』に載っているはなしにあるもの。

和漢百魅缶│2015.09.17
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