むかし、小野寺重道[おのでらしげみち]が上洛したおり、道でいじめられていた子狐をたすけてあげたところ、その夜、宿にふしぎな翁があらわれて子狐救助の礼をいわれ、ふしぎな妙薬をもらったというもの。
そのころ、みやこでは帝の御悩[ぎょのう]が取り沙汰されており、治せるものには褒美をとらせるというお触れが出ていました。そこで重道がこの妙薬をたてまつったところ、帝は全快復。褒美として出羽の仙北を領地としてたまわったというおはなし。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『奥羽永慶軍記』にみられるはなしです。
和漢百魅缶│2015.09.10
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