えきしん 疫神

えきしん(疫神)

むかし、酒造家の小島弥左衛門というひとの子供が 疫病にかかってうなされてたとき、 弥左衛門は何を考え付いたのか味噌酒(みそざけ)を大量につくって 何杯何杯もいやがる子供にそれを飲ませました。 すると、「なかなかこの家には居がたし……」と急に子供が ふしぎなことを口走ってその後は快方に向かったんだトカ。

後日、弥左衛門の隣の家のひとが疫病にかかって苦しみだしたとき、「となりの弥左衛門は我に大毒なる味噌酒を多く飲ませた……気味よからず……」と口走ったことから、疫神には味噌酒が効くのだなぁと知れたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
米沢につたわる小越春渓『怪譚雨夜の伽』に記されていたはなしにあるもの。

和漢百魅缶│2015.08.30
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