文政のころ、伊助という男が串柿になっている干し柿を買って来て子供たちに食べさせていたところ、その中の干し柿がひとつ、見た目は完全に干し柿であるのにまったくもって欠き割ることも出来ない完全な石であったというふしぎなもの。
柿がいつの間にか石に変化したというふしぎ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
平尾魯仙『谷の響』曰
「一連の中にただ此一個而巳に変[な]りて左右[あと]はみな毎[つね]りの柿にてありけるもいと希[めづら]しきことと云ふべし」
和漢百魅缶│2015.08.25
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