どじょうむすめ 泥鰌娘

どじょうむすめ(泥鰌娘)

磐州田村郡などにつたわる昔話に出て来るもの。どじょうを砂の上にぶちまけて遊んでいた子供たちからどじょうを買い取って助けてあげた男のもとにあらわれたどじょうで、男をおぶってどじょうのおやしきに連れて行ってくれます。

どじょうの豪華なおやしきでは、若い衆たちがうどんをつくってくれますが、それが出来るまでのあいだ主人と娘はたくさんある様々なものがおさめられた蔵を紹介。最後に壮大な金蔵の中から金箱をひとつさしあげます、と言われますが、男は欲を出して次々と要求をつりあげ、ついにはどじょうたちを驚かせてしまって、気がつくと泥まみれな田んぼに立っており、何ももらえなかったトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
たすけてもらった水棲動物がお礼をする昔話のひとつですが、竜宮のように自分たちの住居へ案内をしてもてなしをする点が、他とは少し展開が異なります。「鼠浄土」などと同様の結末がつけられている話などが確認できます。

和漢百魅缶│2015.08.07
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