後鳥羽上皇のころ、都の八条殿に出ると噂がたった妖怪。後鳥羽上皇の命によって若狭前司頼度[わかさのぜんじよりのり]がその正体を確かめにいったところ、土器[かわらけ]のかけらをばらばら頭上にふりかけられたりしたといいます。
頼度があやしい黒い影をついに捕まえたところ、毛のうすくなった古だぬきてで、その後はあやしいことも起こらなくなったソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『古今著聞集』曰
「六ヶ夜まで待たりけれどもあへてあやしき事なし。御所様にも其程はせさる事なかりけり。七日にあたる夜待かねて少[ちと]まどろみたりけるにかはらけのわれをもて頼度がうへにばらばらとなげかけける」
和漢百魅缶│2015.05.29
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