えのきのどくりゅう 榎の毒竜

えのきのどくりゅう(榎の毒竜)

播州姫路のお城の近くの大きな榎[えのき]の巨木にいつの間にか宿っていたという毒竜。天下人民にわざわいをもたらそうとしてたといいます。

豊臣秀吉が羽柴筑前守だったころ、姫路に駐留してると大きな音がズドーンと響いたので何事だと調べさせると、かみなりさまが墜落して困ってるとこに遭遇。理由をきいてみると、この姫路に出現した毒竜を天からの命令で焼き殺したものの、失敗して落ちてしまった、というハナシ。秀吉はかみなりさまを介抱してやり、その徳によって関白になるほどの出世をしたのじゃゾ、とやら。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『古今百物語』(1676、1751)などに載っている説話に登場するもの。

和漢百魅缶│2015.05.16
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