天智天皇のころ、道行[どうぎょう]という沙門が熱田の宮から草薙剣[くさなぎのつるぎ]を盗んでゆくというおはなしの中に出て来るもので、道行が住吉明神のちからで剣の盗難に失敗したあと、剣をふたたびに奪いにやってきたというものすごい怪力の持ち主。
剣を盗み出しますが、熱田明神によって蹴り殺されてしまったといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『広益俗説弁』に道行が草薙剣を盗んで新羅へ行こうとしたら風雨などで失敗したという『日本紀』の記述や、『古語拾遺』らある熱田から草薙剣を盗もうとして動けなくなった盗賊の話などが複合して変化していった俗説であろうとして載ってるはなしに出て来ます。
海外のものすごい存在として「不動」が出て来るのは、昔話の「仁王」と似ている感覚のもので、「ふどう」など古い説話や俗伝にはいくつもあったものと見えます。
和漢百魅缶││2015.03.13
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