明のころ、琉球へ向かう途中だった孫表[そんひょう]というひとが白石磯[はくせきき]というところで見つけたものすごく大きな蘆[あし]に対して「おまえは蘆大王という風格じゃな」と声をかけたところ、それ以後、この蘆大王がたびたび風雨を巻き起こして、礼拝して行かなかった者の舟をてんぷくさせる始末に発展。
礼拝のための蘆王廟[ろおうびょう]というものが建立されて、ひとびとが何とかこれを暴れさせないようにしてましたが、役目をおえて琉球から帰って来た孫表は再び白石磯でその様子を見てビックリ。「蘆大王は神などでは無い」とその廟を打ち焼いたところ、もう蘆大王のたたりも何も起こらなくなったといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
銭希言『獪園』などにあるおはなしで、「りくんしん」などと同じ構造のかみさま。
和漢百魅缶││2015.03.10
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