もうじゃのなくこえ 亡者の泣声

もうじゃのなくこえ(亡者の泣声)

石州の浜田でいわれたことのあるというもの。夜な夜なお堀からぶきみな声が響いて来ることがつづいたのでひとびとは「亡者が泣いてる声だ」とうわさして怖がってたんだトカ。

お堀の中の泥亀[すっぽん]たちが夜中に鳴き声を出してたのがその正体なんじゃないのかともはっきり考えられてたようです。

☆ 莱莉垣桜文 附註
大石千引『野乃舎随筆』曰
「我友村上真澄 石州浜田の外堀にて亡者のよなよな泣こゑするといふ事有て 彼人かしこにまかりて其わたりの人にとひけるにさやうの事はうけたまはらず此比[このころ]此堀の泥亀しばしば泣事有それを人のあやまりいふならんといへりとぞ」

和漢百魅缶││2015.02.06
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