備後安那郡の中条につたわるもの。何百年以上ものむかし、中条の土地は海だったそうで、その海で採れたのだという「人魚」。
むかし、中条うまれの修験者が信州の山奥で宿をかりた老婆が「坊さんは中条のうまれか、わしもそうだ、今も海はどんな感じだ」とたずねて来たので「中条には海なんてない、海はだいぶ遠いぞ」と語ったところ、この老婆は海でとれた人魚を食べて寿命がのび、諸国を遍路しているうちに信州につき、暮らしているのだと話しましたとヤラ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「八百比丘尼」なおはなしのひとつ。
和漢百魅缶││2014.12.25
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