ナナイ族につたわる昔話などに出て来るもので、むかし、「アンバーン」(ひとを食べちゃう魔物)が仲間を殺した人間を探して追いかけまわしてるときに「人間たちは森に逃げたぜ」とつげぐちをしたリーミィ(スリッパのこと)。
人間たちは逃げ出すときに「ぼくたちがどこに逃げたかはいうなよ」と家にある柱や調度品みんなにおかゆをあげて口止めをしたのですが、たまたま、このリーミィだけがおかゆをもらっておらず、それに腹をたててつげぐちをしてたのでした。
アンバーンたちは「そうか わかった すぐ追う」と怒りを増し、このリーミィはその際ぎたぎたにちぎられて、おだぶつ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
道具がつげぐちをする展開は、ツングースやシベリアなど東アジアにはいくつも見られる昔話の中に見られる伝承です。
和漢百魅缶││2014.10.31
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